高音域を楽に出すには、「地声の筋肉」と「裏声の筋肉」をリラックスして出せることが必要です。
まずは地声と裏声を「別々に」練習してみましょう。
裏声の高音は、ミックスボイスとは「別物」です。
息を混ぜて「リラックス」しよう
まずは「息の混ざった柔らかい声で」1オクターブを行き来する練習をします。
裏声がリラックスして出せない場合は、裏声の練習を単独でおこないましょう。
「いい声」は必要ありません。
リラックスして伸び伸びと歌いましょう。
「声量もなく弱々しい声」でかまいません。
美しい高音を出すには、その前段階での「余計な力みをり取除くこと」が大切です。
理想としている歌声は、必要ありません。
リラックスして出せる「心地の良い部分」を優先してください。
もちろん「理想的な音色」が「リラックス」して出せれば、それに越したことはありません。
のどに負担が少ないので、ウォームアップにも使えますよ。
4つの注意点
この練習方法では、以下の4点を注意してください。
パッサッジョ(裏声と地声の境目)で力まない(喉が絞まらない)ようにします。
パッサッジョ付近では、喉が閉まりやすくなります。
何もせずに、裏声音域に移行できるようにしてください。
「何もしない」がポイントです。
裏声でも地声と同じように、喉を開いてください。
パッサッジョ(喚声点)
音階が上がっていくと、地声ではつらくなり裏声の方が楽になる場所があります。
その地声から裏声に変わる音域を、パッサッジョ(喚声点)と言います。
裏声を地声っぽく出そうとしても、喉が絞まりやすくなります。
滑らかに通過できるようにトライしましょう。
高音域(裏声)は地声と音色が異なってもかまいません。
初めは、「地声と裏声の音色」を統一する必要はありません。
不必要な筋肉を使って、音色を無理やり作ってしまう恐れがあるからです。
目的は「リラックスした発声」です。
音色を気にせずに、「負担なく心地よく歌える場所」を探してください。
裏声音域では、頭から上へと抜けていくような感覚で楽に発声します。
全音域を通してリラックスした出し方を心がけます。
リラックスして歌うことは、この練習の中での最重要ポイントです。
実際に歌を歌うときにも、リラックスすることは大切です。
「リラックス」=「力を入れない」ではありません。
歌に必要な筋肉は、十分に使ってください。
アウターマッスルは使わず、声帯周辺にあるインナーマッスルのみを使うように意識してください。
声帯周辺を意識すると、結果的に力んでしまう場合もあります。
身体全体を意識しましょう。
全ての音色を柔らかく保ち、雑な発声にならないようにする。
音色を柔らかく保つと、余計な力みが少なくなります。
さらに雑に歌わず丁寧に歌うと、歌いだしに余計な緊張が入りにくくなります。
特に、それぞれの音程の入り始めは、丁寧に柔らか声を出すことを意識してください。
高音(ミックスボイス)は裏声の要素を含みます。
リラックスした裏声の延長が力強い声を生み出します。
ボイストレーニングのすべてに共通することですので、「首回りの表面の筋肉」「あごの下」は常にリラックスさせてください。