高音(ミックスボイス)の出し方を覚えることは大切なこと
ボイストレーニングを受ける理由を
「高音の出し方をマスターしたい!」
「広い音域で歌いたい!」
「ミックスボイスのコツをつかみたい!」
…
と言う方はたくさんいると思います。
それは素晴らしい目標ですので、もちろん否定しません。
むしろ、とても大事なことです!
魅力的な曲は、盛り上がりに高音が来る場合が多くあります。
その高音が美しくなければ曲の魅力が半減してしまうのも事実です。
高音が出なければ、その曲自体そもそも歌えません。
しかし、それを最終目標に練習に明け暮れることはとても危険です。
時々ミックスボイスの出し方にこだわり過ぎて「地声が犠牲になっている人」も見られます。
地声が美しくないと、ほとんどの場合ミックスボイスも美しくなりません。
ミックスボイスに地声を合わせるのはNG
窮屈な声で高音(ミックスボイス)が出るようになった方に時々見られる傾向をお話しします。
低音から高音までを同じ音色にするために、地声の音色をミックスボイスに近づけてしまうのです。
結果的に美しかった地声の音色が歪んでしまいます。
あくまで美しい中音域の上に高音が成り立つようにアプローチしていきましょう。
それを見つける過程で少し音色がいびつになるかもしれませんが、最終的には必ず方向転換させましょう。
今までにない感覚を掴むためには、思い切ったアプローチが必要な時もあります。
いびつな音色だが楽に出る高音を見つけた時には、必要な部分と不必要な部分を取捨選択してください。
もちろん音色を変えずに進めていけたことに越したことはありません。
曲の大部分は中音域
高音は音楽の重要なポイントでよく使われますが、一部の音楽を除いて曲の大部分は中音域で構成されています。
高音ばかり頑張っている歌手は、聴き手には痛々しく見えるかもしれません。
一部の曲や聞き手を除いて、聴き手は歌っている本人ほど高音に重きを置いていないはずです。
曲全体を大切に歌わないと、音楽も美しくないでしょう。
高音は中音域で作られた美しい音楽の中で歌われて、初めて輝かしい高音となります。
つまらない映画でラストシーンだけ感動的でも、何も感じませんね。
それに近いものがあると思います。
すべての音域のすべての声に、愛情を注いで大切にしてあげて下さい。
高音を歌う練習と同時に、曲全体を美しく歌う練習もしてくださいね。
ボイストレーニングは良い歌を歌うためにあります。